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「病院薬剤師」という仕事

私たちの基本的な仕事は薬剤部内で行う業務と病棟で行う業務の２つに分けられます。
薬剤部内で行う業務は、主に入院患者さんが使用する薬剤の調剤を行います。調剤薬局との大きな違いは、通常の内服薬や外用薬に加えて注射薬の調剤や無菌製剤の混注、抗がん剤の調製なども行うことです。病棟業務では、入院される患者さんの担当が決まると退院するまでの期間継続してその方を診ていくことになります。そして患者さんのベッドサイドに行き、薬の投与前後で体調にどのような変化があったのかをカルテ上だけでなく、患者さんから直接聞き取りをして判断します。改善が必要と判断した場合は、医師に薬剤の増減や追加を提案することもあります。

治療効果や副作用など患者さんの経過を長い目で診ていくことが大きな特徴だと思います。同時に、患者さんと深く関わることになるため、信頼関係を築くことがとても重要となります。

単純にお話を聴くだけはなく、声のトーンや表情で判断することも必要となります。普段と違い元気がない時は、何か体調に異変があるのではないか、病気に対する不安で元気がないのかなど、様々なケースを汲み取って服薬指導するように心掛けています。

また、薬剤の在庫管理や新規で薬が採用された際は、勉強会への参加も大事な仕事です。勉強会での内容を医師や看護師に共有することもあります。他職種の方々と連携し、患者様一人ひとりの状態に応じて適切な医療を提供することが大切なため、患者様だけではなく内部でも良好なコミュニケーションを図ることが重要な仕事となります。

勉強するほどに面白さを知りました

薬剤師を志したきっかけは、正直なところ、夢や熱い思いがあったわけではありませんでした。中・高校と陸上競技一筋で、高校時代は午前は授業、午後は部活といったスポーツに特化した高校生活を送っていました。
卒業間際になるにつれ、将来何をしたいのか深く考える日々が多くなりました。そんな中、偶然高校の系列大学に薬学部があることを知り、周りの方々の話を聞いたり調べたりするうえで、興味が湧き目指すことになりました。

薬学部時代は本当に大変でした（笑）。スポーツ特待生として大学に入学したため、部活も継続しながら成績を維持しなければ、特待生扱いは打ち切られてしまいます。高校時代にスポーツ一筋で取り組んできたため、一般の高校から入学してきた方の半分ほどしか知識がなく、入学してから周りとの学力の差に圧倒され、毎日のように泣きながら勉強していました（笑）。
授業で部活に参加できない日は、朝練をしてから授業に参加し、昼休みは大学内のトレーニングジムで筋力トレーニング、夜はバイトをする日々を送り、部活の遠征には勉強道具を持参し、文武両道をめざしていました。
入学したての頃の成績は下から数えて何番目かという状況でしたが、勉強していくうちに面白さを覚え、スポーツで培った負けず嫌いな面とメンタルの強さで薬剤師国家試験合格という狭き門をくぐることができました。助け合える友達に恵まれたこともあり合格することができたと思います。

今から薬剤師を目指したい学生の方には、努力を惜しまず最後まで諦めなければ必ず国家試験に合格できる！と伝えたいですね。

働いてみたら「神職」 とてもやりがいがあります

志したきっかけはそれほど強いものではなかった半面、働いていくうちにとてもやりがいがあると感じました。やはり、患者さんから感謝していただけることが一番のやりがいですが、入院から退院まで長い目で経過を見ていくため、最初はお話してくれなかった患者さんでも回数を重ね服薬指導をしていくことで信頼関係が築かれていきます。「薬のことで福田さんとお話ししたい！」と言ってくださることも増え、患者さんから必要とされていると実感することでやりがいを強く感じます。

現在私は、呼吸器科の担当をしており、肺炎や呼吸困難で運ばれて全く話すことができない状況の患者様もいらっしゃいます。適切な治療を受けてとても元気になって帰られる姿を見ていると、私もその現場に関わることができて良かったと思います。

働いてみると私にとって「神職（自分に合った素晴らしい職業）」ですね！

雰囲気が良い職場でたくさんの経験を積ませていただいています

八戸赤十字病院の魅力といえば、皆さん仲が良いところです。
薬学生は5年時に薬局、病院それぞれ3ヶ月間の実務実習があり、病院実習では当院にお世話になりました。その際に雰囲気の良さを感じたのが就職のきっかけとなりました。

部署内はもちろんですが、部署の枠を越えて仲が良いです。当院には様々なサークル活動があり、私はマラソン部に所属しています。色々な職種の方と一緒にマラソン大会に参加し、終了後は打ち上げがあり、そこでまた仲が深まります。

仕事の面では、薬剤部は入社時から様々な仕事を経験させていただけるのも魅力です。現在私は、入社2年目ですが、薬の在庫管理や発注業務を任せていただいています。プレッシャーもありますが、任せられたことで自分自身での勉強はもちろん、先輩方に追いつけるチャンスだと思い、成長できていると実感しています。

資格取得も大きな目標の一つ

薬剤師は国家資格を取得して終わりではなく、「認定・専門薬剤師」というものがあります。がんや感染症、糖尿病など、目指したい分野の資格取得に向けて一定期間の講習を受講し、定められた単位を取得することで試験を受ける権利が得られます。見事試験に合格し資格を取得することで、その分野の資質と実力があると認められるため大きな目標の一つとなります。

ただ、一度資格を取得すると、異動や転職などで働く場所が変わってもどこに行っても使えます。その分野に詳しい薬剤師という目で見てもらえるので薬剤師にとっての大きな目標の一つになります。

休みもしっかり取れてプライベートも充実

当院の薬剤師は日当直業務もあり、通常勤務は8:30から17:00までです。病院薬剤師は遅くまで残業しているイメージがあるかと思いますが、当院薬剤部は皆さん勤務時間内に業務を終わらせる意識を持って仕事をしているため、全くと言っていいほど残業はありません。

休日はランニングをしています。各地のマラソン大会に参加しているため日々のトレーニングは欠かせませんね。また、温泉が好きなので温泉巡りをしています。友達と高速を使って遠方の温泉に出かけることもあります。岩盤浴で汗をかいてスッキリする瞬間は最高です。

仕事はもちろん、プライベートも充実しているので、おすすめの職場であると自信を持って言えます。